
肘の内側上顆炎は、上腕骨の内側の上端にある骨の突起(上顆/じょうか)が炎症を起こす状態です。
ゴルフのスイング動作で痛むことが多いからゴルフ肘という別名で呼ばれることがあります。
実際には、スポーツに限らず、職業上での動作、日常生活での動作でなることが多いようです。
では、原因、症状、対処法について説明していきますね。
原因
過度の使用
●スポーツでの繰り返しの刺激
ゴルフのスイング、テニスのフォアハンド、野球のバッティングや投球など
●職業上での繰り返し動作
肉体労働で重い物を持って運ぶ、物を引っ張る作業など
外傷
肘に強い衝撃を受けた場合、上腕骨が損傷し、炎症を引き起こすことがあります。
加齢や病気
●加齢に伴う筋肉の質の低下
年齢とともに筋肉の柔軟性が失われ、繰り返しの刺激に弱くなっていくと考えられます。
●関節リウマチ
関節リウマチの患者は、肘の炎症が起こりやすいので、原因となると考えられます。
原因となる筋肉
肘の内側上顆炎は、主に前腕の屈筋群(くっきんぐん)が関与しています。
特に以下の筋肉が原因となります。
●長掌筋(ちょうしょうきん)
手首を曲げる動作に関与します。
●橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)
手首を曲げる動作に関与します。
●尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)
小指側の手首を曲げる動作を助けます。
●浅指屈筋(せんしくっきん)
指を曲げる動作に関与する筋肉です。
●円回内筋(えんかいないきん)
前腕を回内する(手のひらを下に向ける)動作に関与します。

症状
●痛み
肘の内側に痛みが生じ、特に動かすときに強くなることが多いです。
●腫れ
肘の内側が腫れて硬くなることがあります。
●熱感
炎症が進行すると、肘の内側が温かく感じることがあります。
●動きの制限
痛みや腫れのため、肘の動きが制限されることがあります。
対処法
●安静
肘を使わずに休むことで、炎症を抑えることができます。
●冷やす
冷やすことで腫れと痛みを軽減します。冷やす時間は15分程度を目安にします。
●薬物療法
痛み止めや抗炎症薬を使用することがあります。医師の指示に従って使用してください。
●理学療法
運動療法やマッサージで、筋肉の緊張を和らげ、炎症を軽減します。
超音波治療も早期回復に有効です。
●包帯やサポーター
肘を固定することで、過度な動きを防ぎ、炎症を抑えることができます。
サポーターで前腕の筋肉を押さえることで、上顆部の負担を減らし痛みの軽減が期待できます。
まとめ
内側上顆炎は、使い過ぎによることが多いので、スポーツ等負担になることは控えて早期に炎症を抑えることが大事です。
わからないことがありましたら当院にご相談ください。